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第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会

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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

世界に届け!
車椅子と心を届ける新潟医療福祉大学の空飛ぶ車椅子サークル

2019年4月4日

PRサポーター 新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 義肢装具自立支援学科
空飛ぶ車椅子サークル(Flying Wheelchair Supporters)
顧問 前田雄さん 須田裕紀さん

図1.スリランカの寺院にて記念撮影

図2.車椅子の梱包作業(東北にて)

新潟医療福祉大学の空飛ぶ車椅子サークル:Flying Wheelchair Supporters(以下FWSと呼ぶ)は、発足から様々な活動を行っており、年々その活動を拡大してきている。このサークルは、2009年に義肢装具自立支援学科の学生を中心として「空飛ぶ車いすプロジェクト」を支援するために結成されたサークルである。現在では約60名の学生が活動している。空飛ぶ車いすプロジェクトは1990年栃木工業高校で始まり、工業高校を中心に日本全国に広まった活動である。その活動内容は、使用されなくなった車椅子の回収・修理・整備をして、東南アジア諸国をはじめとする発展途上国へ車椅子を贈る国際ボランティア活動で、 現在全国の約35校の工業高校で実施されている。この活動に参加している工業高校、大学とボランティア団体等を含めると40以上の団体が参加している。空飛ぶ車いすプロジェクトのボランティアは1)回収ボランティア2)修理ボランティア3)輸送ボランティア(スカイパートナー)4)受取ボランティア(現地ボランティア)の4つで構成されている。FWSは1)2)4)のボランティアを支援している。現在、東南アジアをはじめとする発展途上国には、まだ車椅子が不足しており 、多くの車椅子を必要としている。そのため、FWSの学生はこの活動を研究会や学会へ参加し多くの医療専門職に対し活動報告を行っている。FWSはこれまで空飛ぶ車いすプロジェクトの支援のためにタイ王国5回、韓国5回、スリランカ共和国3回、台湾1回、東北へ7回訪問している。

図3.学内での車椅子整備

図4.海外のボランティアスタッフとの交流

FWSの現在の活動は、空飛ぶ車いすプロジェクトのボランティアをサポートするだけではなく、2011年に発生した東日本大震災後における岩手県、宮城県の高齢者施設等における車椅子修理ボランティア活動も積極的に行っている。これまで宮城県女川町と気仙沼市、岩手県大船渡市を訪問し、修理活動を行っている。さらに、女川町役場と気仙沼市の介護老人福祉施設でも修理活動を行っている。車椅子の修理活動の他に、大船渡市や気仙沼市の介護老人福祉施設へ車椅子の寄贈も行った。東北被災地でのFWSの修理活動は、ウレタン製のパンクをしないタイヤを持参し交換したり、タイヤの幅が合わないものは、応急策としてグラインダーを用いてタイヤを削って調整をおこなっている。東北での活動は震災以来、毎年行っており、学生たちは被災地の復興を目の当たりにしてきた。瓦礫があった場所が更地となり、新築が増えてきている。毎年比べると少しずつ元の状態に戻っている。被災地への支援は今後もプロジェクトを通して続けていく予定である。新潟市内でも福祉施設に赴き、車椅子の修理活動を実施したり、FWSを知ってもらうため福祉・介護・健康フェアへの出展も行っている。これまでご紹介した、車椅子の修理活動を正確かつスムーズに実施するために学内においても車椅子の修理法や介助方法の伝達を上級生が下級生に向けて行っている。さらには、他団体と合同で車椅子の修理会を行い意見交換するなど精力的に活動に励んでいる。

図5.他大学との合同整備会

図6.韓国での車椅子寄贈の様子

上記のようなプロジェクトや取り組みは国内で使われなくなった車椅子を回収・修理し東南アジアをはじめとする発展途上国に寄贈することを趣旨とするため、工業系の高校の参加が多くみられる。しかし、FWSは参加する高校・大学のなかで唯一の医療福祉系の大学である。医療従事者を目指すものとして、車椅子の修理活動に加え、車椅子の適合や車椅子の使用・介助方法の伝達を行っている。 この私たちの活動で、利用者のQOLの向上がなされれば幸いである。そして、発展途上国の現状を学び、国際的な視野を養うことで専門職として抜きんでた存在になれると考える。「空飛ぶ車いす」プロジェクトは、車椅子の修理・調整方法を学べるとともに、実際の利用者を相手に車椅子の選択、適合を学ぶ貴重な機会ともなっている。修理する車椅子には使用していた家族のいろいろな思い出があり、まだ使用できる状態のものなので、誰かに役立ててもらいたいという気持ちも一緒に海外へ届けている。学生にとっては臨床的なことを学べる良い機会になっている。


前田雄さん/  1999~2010年 株式会社 富山県義肢製作所、
2010年~ 新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 
義肢装具自立支援学科 講師 (義肢装具士)。
須田裕紀さん/2007~2009年 有限会社 タカハシ補装具サービス、
2007年~ 新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 
義肢装具自立支援学科 講師 (義肢装具士)。

※役職等は執筆時時現在です。

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印刷用コラム:世界に届け! 車椅子と心を届ける新潟医療福祉大学の空飛ぶ車椅子サークル(PDF形式1,179KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員