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第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会

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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

映画の世界に魅せられて

2019年2月18日

PRサポーター 映画監督 岡元雄作さん

十日町市出身で、これまで国内外の数々の映画祭で受賞経験のある映画監督の岡元さんから、映画に携わるようになるまでのお話やご家族、故郷への思いについて語っていただきました。

岡元監督

 まずは、映画に興味を持つようになったきっかけは?

岡元 両親が映画好きで、その影響が大きいです。小学校の低学年位から映画館で観る映画の衝撃のすごさが好きだったのですが、中学生の頃、「ニューシネマパラダイス」というヨーロッパの映画を観て、人間の細かい感情を描いた主人公に共感するような映画で、派手ではないこんな映画もあるのだと知り、撮りたいなという芽が出てきました。

 では、本格的に職業として映画監督になると決めたきっかけは?

岡元 最初は職業としてまでは考えていませんでした。エンドロールに自分の名前が出たらいいな、程度に考えていました。
高校卒業後、映像に携わりたくなり、「トイ・ストーリー」などの3Dのコンピューターグラフィックス(CG)が台頭してきた時代だったので、CGの学校に通い、CGの制作会社に就職しました。ただ、CGはデスクワークだったので、次第に「自分で撮影したい」という気持ちが強くなってきて、夜間の映画学校に通い直しました。CGの会社を辞めてサラリーマンに転職したのですが、その時に撮った映画が映画祭で受賞し、もっと上を目指したくなってきて、職業としての映画監督を意識し始めました。
受賞をきっかけに知り合ったプロデューサーの方々とフリーランスで映画以外の映像の仕事をするようになりました。しばらくは二足の草鞋を履いていました。

 平日は通常のお仕事、土日は撮影ですと、お休みが無くて大変だったのではなかったでしょうか?

岡元 撮影は仕事ではなく趣味と思っていたので苦にはならなかったです。その後、映像の仕事が増えてきたので、仕事を辞めて、同時に会社を立ち上げました。

 相当の覚悟が必要だったのではないでしょうか?

岡元 その頃には仕事のパイプがかなり繋がっていましたし、何より映画や映像といったクリエイティブな事が好きで「やりたい事」だったので。映画だけでは余程ヒットしないと成り立たないので、CMなども手掛けながら映画を撮っています。

 映画監督になってよかったと思う瞬間や、魅力は何ですか?

撮影する岡元監督

岡元 自分で制作した映画が公開になって、お客様から「面白かった」と反応があった時です。以前、結婚式場からカップルが結婚したくなるような短編映画をオーダーされて制作しました。内容は、未婚で同棲している50代のカップルが、結婚をするべきか話し合いをするのですが、結婚していないと病院で家族でないと立ち会えなかったりすることなどを総合して考えて、幸せとは何かといえば「死ぬときに一緒にいるのが幸せ」というものでした。この映画ができたときの、お客さんの反応がすごくて嬉しかったのですが、映画を観て共感してくださり、本当に結婚したカップルが知っているだけで2組もいるのです。

 とても素敵なお話ですね!

岡元 その時、映画は人を感動させるだけでなく、人の人生を変えられるすごい力を持っているのだなと思いました。映画制作は辛いことも多いのですが、お客さんの反応を見ると、映画をやっていてよかったと思います。
この映画は日本の結婚制度の問題点についても描いたので、アメリカの映画祭で審査員特別賞を受賞しました。日本の映画祭でもグランプリを受賞しました。自分の中でも特別、一番思い入れのある作品です。

 岡元さんが映画を撮影していて、新潟県の出身であることが影響していると感じることはありますか?

岡元 自分のルーツに新潟の自然があるのだと思います。十日町でも短編を撮影したことがありますが、やはり特別だと強く感じます。特に雪や棚田といった自然の景色が好きです。撮影でカメラに自然を切り取るとき、無意識にルーツに通じるものが入っているのだと思います。風景を撮影するのがうまいね、とよく言われますし、昔から自然を見て育ったので、都会の方から見たらそう思うのかもしれません。

 岡元さん流の映画の楽しみ方を教えてください。

岡元 時間を使った、ゆったりとした静かな映画ももっと観てほしいです。きっと新しい発見があると思います。
そして、ぜひ劇場で観てほしいです。映画は映画館で観るために制作されていて、テレビやネットだと再現できない小さな音や色までこだわって演出しているので、そういったことも楽しんでもらいたいです。
まずは映画館に行って、先入観無しに観て、ご自分の好きなところを見つけて欲しいです。たまにでも良いので映画の素晴らしさに触れてもらいたいです。

 新潟県の方々にメッセージをお願いします。

岡元 新潟県で映画をつくっている人が少ないので、もっと発信していって欲しいと思います。新潟県では大地の芸術祭などアートが盛んになっていますが、もっと映画を撮る人が増えて欲しいです。東京では撮れない映画が絶対あるので、地元を知り尽くしている方の方が、切り口が違うのでいい映画が撮れると思います。

 最近では、どのような映画を撮影されましたか?

映画「Last Lover」

岡元 今年秋に公開予定の「Last Lover」という作品で、亡くなった男性が恋人の前に現れるというストーリーの映画です。実は昨年4月に母が亡くなり、これまで自分が映画監督になることをいつも応援してくれて、映画の完成を喜んでくれた母のために、自分は映画で恩返しすることが何よりの追悼になると思い立ち、制作しました。気持ちを忘れないうちに撮りたくて、6月に脚本を書き上げ、出演者のオーディションをして、7月には撮影を開始しました。クラウドファンディングで資金を集めたところ、とても多くの方々から応援をいただきました。
「大切な人を失ったら戻ってきて欲しいですか」をテーマにした、ホラーの要素も入れたラブストーリーです。新潟県でも上映したいと思っていますので、その時は皆さんにぜひ観ていただき、僕の母への思いを感じてもらいたいです。

 今年の秋に公開になったら、岡元さんの思いや映画に対するこだわりを感じに、そして新しい発見をしに映画館に行きたいと思います。お話を伺っていて、映画が本当にお好きなのだと伝わってきました。たくさんの素敵なお話をどうもありがとうございました。


(平成31年1月インタビュー)
※役職等はインタビュー時現在です。

■関連リンク
ASTROSANDWICH PICTURES INC.
岡元雄作(Facebook)
岡元雄作 (@ASTROSANDWICH). (Twitter)
astrosandwich (Instagram)

印刷用インタビュー:映画の世界に魅せられて(PDF形式804KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員