メニューをとばして、このページの本文へ


第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会

やさしいブラウザ

PRサポーターズ&インタビュー・コラム

数値や点数にできない娘のすごさを認めてあげたい
~画家・ぬいぐるみ作家 新井里沙の母として~

2019年2月8日

PRサポーター カフェギャラリーあらいんち オーナー 新井惠美子さん

「カフェギャラリーあらいんち」に展示されている新井里沙さんの作品

自閉症作家 新井里沙さんの絵やぬいぐるみが展示されている「カフェギャラリーあらいんち」のオーナー新井惠美子さん。母として、娘の理沙さんへの想いを語っていただきました。

 「カフェギャラリーあらいんち」では、里沙さんの絵やぬいぐるみを見ながらお茶を楽しめるのですね。

新井 新潟市内で里沙の作品展を沢山やらせていただいて居りますが、地元の加茂から新潟まで見に行かれないという方々の中に、新井さん家で作品展をやってもらえればすぐ見にいけるのにと言ってくださる方がいらっしゃったのです。ちょうど学習塾の後の場所が空いていたので、私の姉と2人で、里沙の作品などを展示するカフェを開くことになりました。人が集まる場になったということが、よかったですね。

 里沙さんは、小さい頃はどんなお子さんでしたか?

新井 里沙が1歳半くらいの時に、長女の時と遊びが違うので、自閉症かな、と思い始めました。ものまねをしなかったり、16畳の板の間にドミノ倒しのように積み木を並べたり、高い出窓までよじ登ったりということがあったのです。
でも、同年齢の子どもよりも積み木をたくさん積み重ねることができたり、できることもたくさんありました。
その後、3歳になって自閉症との診断を受けました。いろいろ検査を受けると、できるところと、できないところがはっきり分かれています。
話をすることはできませんが、料理も掃除も洗濯もできます。特に、洗濯は小さい頃から大好きで、今は家中の洗濯を任せています。たたんでタンスにしまうところまで、きちんとやってくれますよ。

 里沙さんが絵を描くようになったきっかけはあったのですか?

新井 娘は2人とも小さいころから絵が大好きでした。私がクレヨンを買ってきて、わざとすべてのクレヨンを一つの箱に一緒に入れて、自由に絵を描ける環境を作っていました。
私の姉も絵が好きで、甥が画家になりました。私は絵は描かないけれど、絵は嫌いではないので、そういう意味では文化的な環境だったかもしれません。
自由に絵を描ける環境を作っていたので、柱でも壁でも家中じゃんじゃん絵を描くのです。借家だったので「どうしようかな」と思いましたが、引っ越すときに全部取り替えればいいと思い切りました。でも、引っ越すときに業者さんに相談したら、「これ全部、消えますよ」ときれいにしてもらえたので取り替えずに済んだということもありました。(笑)

新井里沙さんの作品のカレンダー(2019年版)

 絵を習い始めたのは、いつからですか?

新井 里沙は特別支援学校の高等部には行かずに、長女が習っていた絵画教室に行くことになりました。私は上手に描けるように絵画教室に通わせたのではなく、家にいたらクレヨンとマジックと画用紙の環境しか用意できないので、絵画教室ではいろいろな環境を整えてもらえるのではないかと思ったからです。
先生に「何でもいいからやらせてください」とお願いをしたら、先生が里沙の様子を見て、「アクリル画をさせてみたいね」とおっしゃってくださったのです。それから、アクリル画を描くようになりました。里沙も
面白かったのか、じゃんじゃん、じゃんじゃん自由奔放に描いていくのです。先生も里沙のやりたい放題にさせてくれて、そうしているうちに里沙の中で絵の具の載せ方などを発見してゆき、絵も変わっていきました。
最初は果物などを並べて描いていましたが、今は花をテーマにすることが多くなり、果物を描くときも並べなくなりました。里沙の中で、何か抜け切れたのかな、と思っています。

「びっくり箱のぬいぐるみ」
中の人形は、箱にきちんと収納できるようになっている。

 ぬいぐるみはいつ頃から始めたのですか?

新井 小学生の頃から、授業で運針をやっていたので、針と糸には慣れていました。里沙は夕鶴のように家族を部屋に入れないで作業しています。ある時、部屋を開けたら、手縫いの小さな人形がわーっといっぱいあったのです。「何、これ!」と。(笑)
びっくり箱のぬいぐるみもあるんですよ!
私がパッチワーク用に買っていた布を使って作って、絵を描くのと同じような感覚で作っていたようです。
これは面白い、幅が広がると思って、ミシンを買ってあげることにしました。そうしたら、だんだん人形が大きくなってきました。
ある時、新潟市のカフェで人形展をやろうという話になって、それから、画廊など里沙の作品を発表する場が増えていきました。

部屋中に飾られているぬいぐるみ

ラップの芯に描かれた作品

 画家として、ぬいぐるみ作家として活躍されている、娘の里沙さんにはどういう想いでいらっしゃいますか?

新井 日々、一緒に暮らして、見届けているのだから、他人にはわからないかもしれない、数値や点数にできない里沙のすごさを認めてあげなければいけないと思っています。
裁縫も洗濯も最初から上手だったわけではありません。
子どもの頃から洗濯も大好きで、洗濯用の粉石鹸が3日に1箱なくなるほどでした。粉石鹸を入れすぎるので、洗濯物が粉だらけになるのです。「私がやりなおさないといけないな」とは思うのですが、里沙には「ありがとね」と言い続けました。
その子の力を発揮できる環境を用意してあげる、その子がやったことをありがとうと認めてあげることが大事だと思っています。

 お母様と里沙さんの関係は素敵ですね。
カフェでは、里沙さんの作品を見ながらお茶やランチを楽しめるだけでなく、時間があればお母様のお話を聞けるのも、嬉しいですね。今日は、本当にありがとうございました。

 


カフェギャラリーあらいんち外観カフェギャラリーあらいんち/
新潟県加茂市新町2-1-17
営業時間 10:00~夕陽が沈むまで
定休日 不定休(1~2月はお休みです)
※ランチは毎週火曜日から
木曜日、土曜日のみ
駐車場 3台
問合せ先 電話番号 0256-52-3299
FAX番号 0256-52-3299

カフェギャラリーあらいんちに展示されているぬいぐるみ(平成31年1月8日インタビュー)
※店名等はインタビュー時現在です。

■関連リンク
カフェギャラリーあらいんち様に、協力事業にご参加いただきました。

印刷用インタビュー:数値や点数にできない娘のすごさを認めてあげたい~画家・ぬいぐるみ作家 新井里沙の母として~(PDF形式1,385KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員