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第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会

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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

在来作物は生きた文化財~その2 なす~

2019年1月16日

PRサポーター にいがた在来作物研究会 小野長昭さん

新潟県の在来なす品種の特徴は、それぞれのなす料理に適する品種があるいうことです。漬け物はこの品種、煮ものはこの品種、焼いたり蒸したりするにはこの品種というように、なす料理に応じた使う品種があります。

1 巾着なす系

南魚沼市(旧六日町)在来の「魚沼巾着」、長岡市在来の「中島巾着」が有名です。形は、丸形のなすに多少のひだ溝が入っており、外見が巾着袋に似ているところからこの名前がついたものと思われます。果肉がよく締まっており、煮ものや蒸かしなすなどに適しています。

中島巾着

魚沼巾着

2 丸なす系

丸なすは、古くからの在来なす品種です。新潟市を中心とする下越地方近辺には 様々な丸なすが存在しました。「一日市」、「島見」、「笠巻」などの品種があります。形は丸形ですが、果肉の特徴や利用は、ほぼ巾着系なすと同様です。現在はかなり生産は少ないようです。

 

 

3 泉州水なす系

梨茄子

十全

大阪府泉佐野市など旧泉州地域から導入され、導入された新潟県のそれぞれの地域で独自に選抜改良されたなす品種です。新潟市南区(旧白根市)の「本十全」とか「十全」とよばれるものや長岡市在来の「梨茄子」があります。外皮は薄く、果肉は締まっており浅漬けなどに適しています。

 

 

 

4 鉛筆なす系

久保なす

鉛筆なす


ルーツは宮崎県の「佐土原なす」と言われています。形状は、全体が細長いということではなくて、果実の先端が鉛筆の芯のように尖っていることから、この名で呼ばれるようになったと言われ、「鉛筆」ということですから導入は明治時代以降と思われます。新潟市南区(旧白根市)などでは「鉛筆なす」と呼ばれ、新発田市では「久保なす」と呼ばれています。外皮が薄く、果肉も柔らかいので、主として小なすで収穫し、浅漬け専用品種です。このため、長距離輸送には向かず、地元限定品種だったようですが、近年の鮮度保持技術や加工処理技術の発達により、昔に比べに賞味期間が格段に長くなっています。大きいものは天ぷらなどに利用。

 

 

5 焼きなす

焼きなす


新潟県で忘れてならないのが、新潟市北区(旧豊栄)在来の「焼きなす」です。「鉛筆なす」がルーツで、果実を相当に大きくし、焼いて、蒸して食するに適したものに改良した品種です。

 

 

 

 

 

6 白なす

笹神なす(しろなす)

阿賀野市笹神地区在来の「笹神なす」と呼ばれるなすです。この在来なす品種は、なす特有の色素がない白なす(実際は緑色)です。一説には、明治以前に導入されたとも言われています。果肉がしっかりしており、煮ものなど利用されますが、なす特有の紫の色素がないので、ほかの食材といっしょに調理しても、なすの食感はそのままで、調理したものが黒ずむことがない利点があります。新たな利用法も考えられます。

いずこの地域からなす品種が導入され、その導入者や導入地域の好み・嗜好によって、品種が選抜改良され、発展し、今日に至っています。その品種は多種多様です。その料理に適した品種を使い分けることは、「生活の知恵」であり、「食文化」そのものといえます。時代の要請や事情から、F1品種を中心とした現在のなすの市販品種は、それぞれの在来品種のよいところを取り入れた80点程度の万能品種であり、それはそれで有用な品種ですが、在来品種は、在来品種のよさがありますので、「生きた文化財」であるたくさんの新潟県の在来なすを今後とも大切にしていく必要があります。


※写真は、いずれも小田切文朗さん(にいがた在来作物研究会会長)の提供。
※組織名等は執筆時現在です。

■関連リンク
にいがた在来作物研究会
PRサポーターコラム「在来作物は生きた文化財~その1 えだまめ~」

印刷用コラム:在来作物は生きた文化財~その2 なす~(PDF形式774KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員