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第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会

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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

はるかな国 遠い昔

2019年1月9日

PRサポーター 新潟国際情報大学長 野崎茂さん

野崎茂学長

昔、若い頃にアルゼンチンに駐在したことがあります。今から40年ほど前のことです。

そのアルゼンチン、今思い出してみると、私には新潟県との類似性がひと際感じられるのです。身近なところで見てみると、例えばワインと日本酒、牛肉と畑の牛肉「枝豆」との関係。いずれもそれぞれを代表する名物「食材」です。

 

アルゼンチン人が飲み干したがるワイン

アルゼンチンは知る人ぞ知る世界有数のワイン生産国でその生産量は世界第5位。ところが輸出量はといいますと総生産量の僅か10%程度にとどまっております。何故か?そうです、自分の国で飲み干してしまうのです。それもいいワインから先にです。他方、蔵元数89と全国第1位、生産量は全国第3位を誇る新潟県の日本酒ですが、ご承知のとおり我が県の成人一人当たりの清酒消費量は12.4㍑と国内断トツの第1位。ということでこれもまた自県で飲み干してしまいそうな勢い。

アルゼンチン 肉の”浜焼き”?

またアルゼンチンの牛肉。人口44百万人に対し牛飼育頭数55百万頭、牛肉生産量は年間3百万㌧弱で輸出はその10%強の30万㌧。大草原に放牧され、ゆったりのんびりと育った牛の柔らかな赤身肉、これはすこぶる付きの旨さです。そんな旨い牛肉なら消費量が増える訳です。一人当たり牛肉消費量60㎏と世界1、2位を争っております。自分の国でみんな食べているんですね。ちなみに日本の一人当たり消費量はその10分の1の6㎏強、そして新潟県はというと3㎏と全国最下位。とは申せ、新潟も負けてはいません。新潟の誇る畑の牛肉「枝豆」。「2017年の枝豆の作付面積は新潟県が1570㌶、2位の山形県1480㌶を抑えて長年全国首位を守っている。…ところが、農家が家族で食べたり、親類や知人に配ったりするため県外にあまり出回らないため出荷量は7位。」(2018.10.01付日本経済新聞記事)どちらも旨いものは域外に出さず自分のところで消費してしまうようです。海産物の比較で言うと…。いやいや、こんな話をしだすと留まるところを知りません。「食材ふっとつ」は両者共通ですね。

血のソーセージと臓物の前菜盛り合わせ

食べ物の話はこれくらいにして、国民気質、県民気質の観点から見てみますと、いずれもややもすると引っ込み思案。隣国、隣県など周囲と付き合い下手なところも似ている点。もしかしてどちらも自給自足が可能で、よそに頼らなくとも「自分だけでなんとか出来るともいえる豊かさ」が災いしているのかも知れません。限りない潜在力を持ちながら、それをうまく発揮できないもどかしさを感じてしまいます。そういえば一年ほど前にNHKで『独立国新潟』という番組が放映されたことがありましたね。新潟が自覚していなかった魅力や潜在力に気付き、日本から独立し「新潟国」になるという奇想天外な内容でした。アルゼンチンも一緒で、南米の中で「唯我独尊、孤立しても何のその」といった気持ちを持っているように思えてなりません。

メインディッシュの小振り?なステーキ

 

そんなことで、日本の正反対にあるアルゼンチンと新潟県との類似性を今更ながら思い出し、親近感を覚えている次第です。

 

ただ、さすがに「文化ふっとつ」は新潟の方が勝っているかも。歴史の重みが違いますから。だって古事記にはこんな歌「越後は国のまほろば たたなづく青垣つらなる名峰数多(あまた) 越後しうるはし」(注)が、…そうか、さすがに載ってはいませんでしたね。 

(注) 本歌「やまとは国のまほろば たたなづく青垣山ごもれる やまとしうるわし」 倭建命 『古事記』


野崎茂さん/ 平成30年より新潟国際情報大学長。
公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)理事、富士石油株式会社監査役。
※役職等は執筆時現在です。

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新潟国際情報大学

印刷用コラム:はるかな国 遠い昔(PDF形式755KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員