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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

日本酒の魅力は旨さだけではない~酒蔵も、歴史も、ラベルも味のひとつ~

2018年11月5日

PRサポーター 新潟県酒造組合会長/緑川酒造株式会社代表取締役社長 大平俊治さん

平成30年4月に新潟大学で開講した「日本酒学」。予想外に若い学生がたくさん集まり驚いた、と微笑む大平会長。日本酒の魅力と、未来への期待を語ります。

大平俊治会長

 新潟といえば、米と日本酒と言われますよね。

大平 米と酒は、新潟のイメージのリーダーのようになっていますね。新潟はコシヒカリの里でもあり、そのお米から米菓や日本酒など様々なものが生まれて、自然、雪、水も、それぞれがイメージを補完し、新潟のイメージを高めあっていると思います。酒造りにも、雪、寒さ、気候などすべてがかかわり、日本酒のイメージをつくっていると思います。
新潟は、雪も含めて、水が豊富です。その潤沢な地下水を利用して酒造りができます。新潟の冬は寒く、夏は暑く、人間にとっては酷ですけれども、雪解け水が豊富で、川の水が潤沢なのを見ると、水がお米を支え、農作物を支え、すべてが新潟の生活を支えていると思いますね。

 新潟のお酒の魅力はどんなところだと思いますか?

大平 新潟は全国で一番たくさん酒蔵がありますが、そのどれもが一定の水準以上です。
出荷量では全国第3位ですけれども、吟醸酒ではナンバー1のシェアです。それは、新潟の自然と、いいお米を使って、真摯に真面目に造られているので、皆さんの評価をいただいているのだと思います。
作り手のほうも、新潟らしく、真面目気質です。技術的には、都道府県立では、全国で唯一の日本酒専門の新潟県立醸造試験場が支えになっています。新潟県酒造組合がつくった、杜氏などの技術者になるための全国唯一の教育機関である新潟清酒学校でも、毎年20人ほどを輩出し、それぞれの酒蔵で働き、技術を高め合っています。

 平成30年4月に新潟大学で「日本酒学」が開講し、大変な人気だったそうですね。

大平 新潟大学、新潟県酒造組合、新潟県との連携協定で日本酒学センターが開設され、世界で初めて「日本酒学」が開講しました。全学部、全学年を対象としているものの、最初は定員の200人は集まらないのではないかと危惧していました。ところが、蓋を開けてみると800人以上の応募があり、最初の授業では、階段教室に600人以上の学生が集まりました。階段に座っているたくさんの学生さんを見て、最高の授業をしなければならないとあらためて決意しました。
日本酒は技術だけでなく、歴史を含めた文化も含めて、味わいだと思います。酒の旨さだけではなく、ラベルも、酒蔵がやってきたことも、歴史も、味のひとつ、魅力になります。そういうものも大事だと昔から思っていましたので、「日本酒学」ができて、農学部はもちろん、経済学部、医学部など全ての学部がかかわり、体系的に様々な研究がなされていくことに、大きな期待を持っています。世界との貿易をやってみたいという学生もいました。学生も先生方も生き生きとしていますね。
ボルドー大学には、世界的に有名な「ワイン・ブドウ学」があります。「日本酒学」を学んだ学生が世界に羽ばたき、海外から日本酒を学ぶ人が来て、ボルドーのように新潟が酒文化の中心地に成長する夢を持っています。
今まで、「酒の陣」や新潟清酒学校など点は打ってきました。これが、「日本酒学」として面になり、深みや厚みも出てくると3次元になって、いろいろなものが生まれてくるのではないかと思います。将来の夢が出てくると、それが魅力になり、日本酒の夢に向かって懸けてみようという人が関わり、交流が出てくると、新たなものが生まれ、日本酒業界は大きく変わってくるだろうと思います。夢がないところには、人は集まらないですから!

緑川酒造

 緑川酒造さんのお話もお聞きしたいのですが、「緑川」の由来は何ですか?

大平 元々初代は六日町で庄屋をしていて、旧小出町に酒蔵を借りて、酒造りを創めたのが明治17年です。自然の緑が好きで、色の「緑」に、自然のいいイメージの「川」をつけたと聞いています。昭和の最後のほうに、魚野川の拡幅工事と町の区画整理があり、水を求めて今の場所に移転しました。仕込みだけではなく、洗うためにも、いい水であることはもちろん、水が安定してふんだんにあることも必要なのです。

 酒造りでこだわっていることは、どんなことですか?

緑川酒造のラインナップ

大平 「おとなしく造る」ということです。発酵も大事だけれど、貯蔵も大事で低温である程度長く貯蔵して、お出しするのが私どもの基本です。最初に飲んだ時に「あれ?」というくらいするっと入って、でも、味わい深く、食とともに楽しめるという酒です。元々、食べるのが好きですから。

 いろいろなお話を聞かせていただき、ありがとうございました。日本酒を味わう、食事とともに楽しむのはもちろん、日本酒学も含めて、どんな発展をしていくのか楽しみになりました。


(平成30年10月22日インタビュー)
※役職等はインタビュー時現在です。

■関連リンク
新潟淡麗倶楽部(新潟県酒造組合)
緑川酒造株式会社(新潟淡麗倶楽部(新潟県酒造組合))
新潟大学日本酒学センター

印刷用コラム:日本酒の魅力は旨さだけではない~酒蔵も、歴史も、ラベルも味のひとつ~(PDF形式977KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員