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PRサポーターズ&インタビュー・コラム

都市農村交流で保全に取組む「北五百川の棚田」

2018年8月3日

PRサポーター 佐野誠五さん

北五百川(きたいもがわ)集落は、福島県会津地方と接する三条市の東部に位置し、粟ケ岳や守門岳など1,000m級の山に囲まれた豪雪地帯で、現在76戸が暮らしています。

水田の約4分の1を占める棚田は400年前から耕作されたとの記録があり、集落とともに長い歴史を歩んできましたが、280枚の棚田には耕作放棄地は一切ありません。棚田の水源を確保するのはたいへんですが、一年を通して約10度と冷たく澄んだ粟ケ岳の伏流水が豊富に流れ込み、北五百川の棚田米は非常においしいと評判です。

カタクリ

棚田の周辺には、ヒメサユリやヤマユリ、ヒガンバナなど四季折々の花々が咲き、訪れた人の目を楽しませてくれます。圧巻は雪解けとともに一面を紫色に染めるカタクリの大群落です。2012年のJR東日本の新潟ディスティネーションキャンペーンのポスターに採用されてからは県外からの来訪者も増え、今年は1,000人もの人がカタクリを目当てに北五百川を訪れてくれました。

北五百川集落では、このような豊かな自然を活かした都市農村交流事業に取り組んできました。2003年に開始した棚田オーナー制度では、島根県、大阪府など遠方から20人の方から農業体験にも参加していただいています。また2009年から学校給食に三条市産米を採用している荒川区第二峡田小学校の児童約40人が、泊まりがけで北五百川を訪れ、食育の一環として稲刈り体験を行っています。交流人口の少ない冬には豪雪を活かし棚田スノーシュートレッキングも開始しました。

北五百川集落は、人の営みが育んできた棚田と背景の会津の山々とが見事に調和して「ふるさとの原風景」を形成し、多くの人々を引きつけています。このような棚田を地域の宝物として後生に伝えていきたいと強く願っていますが、近年は後継者の確保が課題となってきました。北五百川を訪れる皆さんとの結びつきを一層深め、関心を持ち続けていただけるような交流事業を継続し、今後も棚田の保全活動を進めていきたいと考えています。


佐野誠五さん/日本の棚田百選「北五百川の棚田」守り人。
三条市北五百川在住の認定農業者。にいがた「なりわいの匠」。
※名称等は執筆時現在です。

印刷用コラム:都市農村交流で保全に取組む「北五百川の棚田」(PDF形式374KB)
PDF版デザイン協力:新潟県タオ国際交流員